ホワイトニングは歯の美白を目的とした人気のある治療法ですが、メリットがある反面、デメリットやリスクもあります。
どちらについても知り、理解した上で治療を行うことが大切です。
目次
■ホワイトニングとは
◎主成分は過酸化水素
ホワイトニングは、歯を漂白して明るくする治療法です。主成分は過酸化水素で、これが歯の表面に付着した色素や汚れを分解し、歯を白くします。
この成分は国家資格を持つ歯科医師又は歯科衛生士しか取り扱うことができない成分です。
◎オフィスホワイトニングとホームホワイトニングがある
ホワイトニング治療には、一般的にオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2つの方法があります。
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行われる治療で、専用のホワイトニング剤やライトを使用して行います。
この方法は、即効性が高く、1回の治療で歯の色を明るくすることができます。
一方、ホームホワイトニングは、患者さまご自身が自宅で行う治療で、マウスピースに過酸化水素を含んだジェルを入れて使用します。
この方法は、通常数週間かけて行われ、効果は徐々に現れます。
■ホワイトニングのリスクと注意点
◎知覚過敏のリスクがある
ホワイトニングを行うと、歯の知覚過敏が起こるリスクがあります。歯のエナメル質、象牙質まで薬剤を浸透、変質させるためです。
欠けた部分がある、歯根の露出した状態なども知覚過敏のリスクを高めます。
冷たい食べ物や飲み物、歯ブラシなどに対しても敏感になることがあります。
◎色ムラが出るケースがある
ホワイトニングを行うと、全体的に歯が白くなる一方で、色ムラが生じる場合があります。これは、歯の表面に色素が均等に付着していない場合や、汚れが残っている場合などに起こります。
特に、歯の裏側や歯の溝などに色素が残ってしまうことがあります。
また、歯の表面の凹凸やエナメル質の厚みによっても色の均一性が影響されることがあります。
このような色ムラは、ホワイトニング後に不自然な見た目を生じる可能性があります。
◎効果は半永久的ではない
ホワイトニングは歯の色を明るくする効果がありますが、その効果は半永久的ではありません。
1度白くなっても、食事や飲み物の摂取、喫煙などの生活習慣によって、歯に再び色素が付着し、歯が黄ばんでしまうことがあります。
そのため、定期的なホワイトニングが必要となります。
オフィスホワイトニングで6ヶ月程度、ホームホワイトニングで1年程度です。
■ホワイトニングできない歯とは?
◎失活歯
失活歯は、歯髄が壊死してしまった歯のことを指します。
歯髄は歯の中心部に位置し、血管や神経が通っています。
歯髄が壊死すると、歯の内部が循環を失い、色素沈着が起こります。
このような歯は、ホワイトニングによっては改善されにくいです。
根管という、神経の入っていた管に特殊な薬剤をつめて歯を白くする必要があります。
◎重度のテトラサイクリン歯
テトラサイクリン歯は、抗生物質の一種であるテトラサイクリンを子供の時に使用したことで、歯が変色する症状です。重度のテトラサイクリン歯の場合、歯の変色が非常に濃く、通常のホワイトニングでは効果が期待できません。
ベニアやクラウンを用いた審美治療が、選択肢に含まれることがあります。
【メリットとともにデメリットやリスクについても知ろう】
ホワイトニングは歯を白くする効果がありますが、知覚過敏や色ムラのリスクがあります。
また、効果は一時的で定期的な治療が必要です。
失活歯や重度のテトラサイクリン歯は、通常のホワイトニングでは効果が期待できません。
治療を検討する際にはメリットとデメリットを理解し、適切な選択をしましょう。