歯の着色汚れを予防しているのに白くならないと感じる方の中には、テトラサイクリン歯が原因の場合があります。
テトラサイクリン歯とは、抗生物質テトラサイクリンの使用によって歯に着色が生じる状態を指します。
永久歯胚(永久歯のもとになるもの)が完成する出生直後から8歳頃までにこの抗生物質を摂取したことが原因で、永久歯に特徴的な着色が現れます。現在40代~50代の方に多いこともわかっています。
この記事ではテトラサイクリン歯について詳しく解説し、白くするための治療法についても紹介します。
目次
■テトラサイクリン歯とは?
◎テトラサイクリンという抗生物質が原因
テトラサイクリン歯は、抗生物質であるテトラサイクリン系の薬剤を幼少期に摂取することで歯が変色する状態を指します。
この薬剤は歯の形成中に取り込まれ、歯の内部にある象牙質と結合します。
紫外線が当たることによって色が濃くなる性質があるため、歯がだんだんと変色していくのが特徴です。
歯の表面に汚れが付着したものではなく、内部に色素が沈着しているため、通常の歯磨きや予防ケアでは白くすることができません。
こういった歯の変色の問題が認識されている現在では、ほとんど使用されていません。
◎特徴的な着色の仕方
変色の程度は個人差があり、軽度の場合は薄い黄色、重度の場合は灰色や濃い茶色に見えることがあります。
また、変色が歯全体に均一に現れるケースもあれば、横縞状に現れるケースもあります。
■テトラサイクリン歯を白くするための治療法
◎ごく軽度なものだとホワイトニングで効果があるケースもある
ホワイトニングは、歯の表面に歯の色を脱色するような薬剤を塗布して色を明るくする治療法です。
ごく軽度のテトラサイクリン歯の場合は、ホワイトニングで一定の効果が得られることがあります。
ただし、変色が強い場合は完全に白くすることは難しいです。
◎ラミネートべニア
ラミネートべニアは、歯の表面を薄く削り、セラミック製の薄い板を貼り付ける治療法です。
ホワイトニングの効果がなかった場合でも歯の形や色を整えることができ、テトラサイクリン歯の変色も完全に覆うことができます。
また、セラミック素材は汚れが付きにくいため、白さを長期間保つことが可能です。
◎オールセラミッククラウン
オールセラミッククラウンは、歯全体を覆うセラミック製の被せ物を装着する治療法です。
ラミネートべニアよりも歯を削る量が多くなりますが、寿命が比較的長い・審美性に長けている、自然な仕上がりになる点がメリットです。
■テトラサイクリン歯治療の注意点
◎治療にかかる期間
ホワイトニングは数週間から数ヶ月、ラミネートべニアやオールセラミッククラウンは装置の製作期間を含めて、数回の通院が必要です。
自分のスケジュールに合わせて治療計画を立てましょう。
◎費用について
ホワイトニング、ラミネートべニア、オールセラミッククラウンはすべて自費診療となるため、費用が比較的高額になる場合があります。
治療法ごとに費用の目安を確認し、予算に合った方法を選ぶことが大切です。
◎歯科医師との相談
テトラサイクリン歯の治療は、歯の状態によって適切な方法が異なります。
信頼できる歯科医師に相談し、自分に合った治療計画を立てることが後悔しないための鍵となります。
【テトラサイクリン歯でお悩みの方へ】
テトラサイクリン歯は、通常の予防ケアやホワイトニングだけでは対応できない場合が多いですが、審美歯科治療を組み合わせることで改善が期待できます。
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた治療計画をご提案し、理想の白い歯に近づけるお手伝いをいたします。
テトラサイクリン歯にお悩みをお持ちの方は、ぜひ当院へご相談ください。