歯が黄ばんできたという悩みから、市販のホワイトニング歯磨き粉を使い始めた方も多いのではないでしょうか。
しかし実際のところ、市販の歯磨き粉で本当に歯が白くなるのか、気になる方も少なくないはずです。
この記事では、市販のホワイトニング歯磨き粉の効果や特徴、歯科で行うホワイトニングとの違いについて詳しく解説していきます。
目次
■市販のホワイトニング歯磨き粉の効果とは?
◎表面の汚れを除去する効果
市販のホワイトニング歯磨き粉は、主に歯の表面についた着色汚れを落とす効果を目的としています。
例えば、コーヒー、紅茶、赤ワイン、喫煙などにより歯に付着した色素を、研磨剤や洗浄成分によって取り除きます。
◎本来の白さに近づけることがゴール
多くの人が勘違いしがちなのですが、市販のホワイトニング歯磨き粉は本来の歯の色を超えて白くするものではありません。
あくまで、ステイン(着色汚れ)除去により本来の自然な白さに近づけることが目的です。
そのため、もともと歯の色が黄みがかっている、加齢によって内部の色がくすんできたといったケースでは、歯磨き粉のみで目的以上の白さを得るのは難しいでしょう。
■成分を見ればわかる、市販品のメカニズム
◎ホワイトニング歯磨き粉に含まれる主な成分
市販のホワイトニング歯磨き粉には、以下のような成分が含まれていることが一般的です。
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研磨剤:歯の表面を物理的に磨くことで着色汚れを除去
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ポリリン酸ナトリウム:汚れの付着を防ぎ、再着色を予防
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PEG:タバコのヤニを溶かして落とす働き
これらはあくまで外から付着した汚れを取り除くのが目的であり、歯の内部にある色素成分には働きかけません。
◎過酸化水素や過酸化尿素は基本的に含まれない
歯科医院で使用されるホワイトニング剤には、過酸化水素や過酸化尿素といった漂白成分が使われています。
これらの成分は歯の内部に浸透し、内側から漂白することができます。
一方、日本国内で販売されている市販の歯磨き粉には、これらの成分は法律により基本的に配合されていません。そのため、歯科で行うような強い漂白作用は期待できないというのが現状です。
■市販品の選び方と注意点
◎選ぶなら低研磨タイプがおすすめ
ホワイトニング効果をうたう歯磨き粉の中には、強い研磨力でステインを除去するタイプもあります。
しかし、使い続けることで歯の表面のエナメル質を傷つけてしまう可能性もあるため注意が必要です。
研磨剤が細かくコントロールされた低研磨タイプの製品を選ぶと、歯へのダメージを抑えながら着色除去の効果を高めることができます。
◎使用はあくまで補助的なものと考える
市販のホワイトニング歯磨き粉は、毎日のケアとして取り入れるには便利ですが、期待のしすぎは禁物です。
劇的に白くなることを目的とするより、着色を防ぎ、元の色をキープする補助的アイテムとして使うのが良いでしょう。
■歯をもっと白くしたいなら歯科ホワイトニングも検討を
◎歯科ホワイトニングなら内側から白く
本来の歯の色そのものを白くしたい場合は、歯科医院でのホワイトニング治療を受けましょう。
過酸化水素などの薬剤を用いることで歯の内部の色素を分解し、本来の歯以上の白さを目指すことができます。
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オフィスホワイトニング:歯科で薬剤と光を使って一気に白く
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ホームホワイトニング:マウスピースと薬剤で自宅でゆっくり漂白
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デュアルホワイトニング:オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの併用
どちらも市販品とは異なり、医療機関ならではの管理のもとで効果的にホワイトニングが行えます。
【市販のホワイトニング歯磨き粉は補助の位置づけで】
市販のホワイトニング歯磨き粉には、着色汚れを除去する効果がありますが、歯の本来の色を超えて白くすることはできません。
ホワイトニングという言葉に惑わされず、清掃効果に優れた歯磨き粉として日々のケアに取り入れましょう。
そして、「もっと白くしたい」「歯全体を明るくしたい」と感じた時は、歯科医院でのホワイトニングを視野に入れると良いかもしれません。
口元の印象を変える第一歩として、自分に合った方法を選びましょう。